今回は「ひぐらしのなく頃に業」の「祟騙し編4話」を筆者の考察を交えながら、ネタバレを解説させて頂きたいと思います。
12話 ネタバレあらすじ
古手神社では、雛見沢村の村民が嘆いていた。
お地蔵様や色々なものが壊されているのだ。
罰当たりな事を・・・そう言いながら片付けているが、犯人は目星がついていた。
北条鉄平である。
倒された地蔵を見ながら彼らは言った。
今年の『オヤシロさまの祟り』は決まったな―――――。
昭和58年6月17日(金)
本日も児童相談所に多くの人数が集まった。
クラスメイト総勢ではだめだった。
知人が知人を呼び、雛見沢村と興宮の人が児童相談所の前に立っている。
圭一たちは今から児童相談所に入ろうとしていた。
その時圭一に声を掛ける人物。
振り返ると、富竹と鷹野だった。
人数の多さに感心する二人。
昨夜圭一から事情を聴いたことで参上したようだ。
その後ろから入江が大きな荷物を持ちながらやってきた。
荷物の中身は、プラカードや文字の書かれたタスキやハチマキだった。
同じものを持つことによって連帯感が生まれるものだ、魅音は身に着けながらそう言う。
所長に直談判
児童相談所に入ると、大人数に児童相談所の職員は騒然となる。
同じ内容の陳情だと説明すると、昨日対応してきた職員が会議室はすべて埋まっている為全員の意見を聞くことが出来ないと説明する。
しかしながら所長が話を聞きたいという事で代表者3名で応接室に案内したいとの申し出を受けた。
圭一と入江、そして梨花が向かう。
夕焼けが景色をオレンジに染めた頃、彼らは児童相談所から出てきた。
待っていた魅音達が圭一の元に駆け寄る。
昨日と同じような話の繰り返しになってしまった印象だと圭一は説明した。
一月後に改めて判断すると言う結果に詩音は愕然とする。
1か月と言う期間を放置された沙都子の心の傷を想うと身が裂かれるようだ。
明日も今日集まってくれた人には声を掛けたが、人数は減ってしまうことがおおいに予想がついていた。
レナはたとえ一人になっても挫けたりしないと決意を見せる。
その気持ちは圭一も同じだった。
皆が力を合わせなければ、奇跡は起きない。
そろそろ暗くなってきたので解散の号令をと入江が言う。
実行委員会のことを失念していた魅音。
何のことかわからない圭一に魅音は実行委員会へ呼んだ。
実行委員会
綿流し実行委員会の寄合は神社の集会所で行われていた。
村で評判となっていた圭一は前から連れてくるように言われていたので、圭一の参加は問題がないのだ。
集会所の中は既に村の年寄りたちが集まっていた。
圭一は部屋の中を見回す。
壁には数多くのダム戦争の時のものが飾られていた。
皆一致団結し、戦った証である。
村長がやってきて、珍しくやってきた詩音へにこやかに声を掛ける。
しかし圭一からの挨拶に関しては村長は素っ気ない態度を取ったように見えた。
魅音を呼び、村長は別室へ消えていく。
皆が雑談をしながら村長の戻りを待ちつつ時間を過ごしていく。
その時魅音は圭一を呼び出し、外へ連れ出した。
そこで圭一を待っていたのは、ちえ先生だった。
圭一に話があると言うが、どうやら良い話ではないようだ。
明日を最後に児童相談所へ行くのを辞めようと言う。
圭一はその言葉を『忠告』であると察した。
裏には村長が関わっていることも同時に理解する。
ちえ先生個人としては圭一の行っていることは正しく、支持しているのだ。
そこまで言われれば、ちえ先生にどこかから圧力がかかったことが容易に想像つく。
魅音とちえが急変してしまう程の圧力とはどのようなものかはわからない圭一。
そこで圭一は二人に疑問を投げかけた。
何故村の年寄り達は北条家を嫌うのか・・・。
ダム戦争は既に終わっているのにも関わらず沙都子は村の年寄り達から嫌われているという事が、圭一にはどうしても納得できずにいたのだ。
誰がそれを支持しているのか、それがわかれば圭一は直談判したいと思っていた。
魅音が小さく言う。
北条家を嫌っている人間は本当はいないのかもしれない――――
ダム戦争で北条家は戦犯という扱いを受けるようになった。
しかし戦犯だった沙都子の両親は死んでいる。
ダム戦争に関わっていない沙都子に罪はないことは誰でもわかっていることなのだ。
しかしながら、敵として北条家に対して『許そう』と誰もが言い出さないことで、その感情は根強く残っている。
よって北条家に対して今は怒りの感情がない人物たちも、容易に沙都子に関われないでいるのだ。
北条家に関わった事によって、今度は自分も村八分にされる可能性を多分に秘めている。
詩音はレナと梨花と共に、圭一たちの後ろからやってきて説明した。
この話を聞いたレナは首をかしげる。
学校ではクラスメイトは沙都子に優しくしているからだ。
北条家と雛見沢の確執などは微塵も感じられない。
この問題は雛見沢の年寄りの中での話であり、村の深部のことなのだと梨花は答える。
一体誰を殴るべきなのか教えるように魅音に詰め寄る圭一だが、村の誰もが沙都子を嫌ってはいないが許そうと言えないでいる現状なのだと魅音は声を荒げた。
悲しくバカバカしい話である。
腐った畳は捨てて新しくするしかない・・・?
村長をはじめとする村の老人たちの心に圧力をかけているのは、存在しない『村の誰か』から後ろ指刺されるかもしれないというものだった。
詩音はそれを『オヤシロさまの祟り』と呼んでいると言った。
圭一は『腐った畳』を一気に引きずり出さないととやる気を出した。
レナもその『腐った畳』はすぐ近くにいると集会所を振り返る。
二人の決心を感じた魅音と詩音も、『腐った畳』と対峙する覚悟を決めた。
ちえは見過ごしてほしいと願う圭一の想いを汲み、彼らに自らの『意思』を託して見送るのだった。
いざ、ゆかん!
対決
圭一たちは村人のいる部屋へと勢いよく入っていった。
私的な話は後回しにしてほしいと言う村長の言葉を無視して、圭一は『直接対決』を申し出る。
沙都子の問題を言葉にすると、村人からは相談所に申し出は充分に行われただろうと言い出してきた。
ダム戦争は終わっているのだから、徒党を組んでお役所に押し掛ける時代じゃない。
その言葉を聞いて、圭一は激高した。
時代の話など聞いてはいない、ダム戦争はどうでも良くてこれは俺の戦争だ!!
圭一の無礼に対し、村の人間たちは怒っていた。
その時誰に挨拶するわけでもなく、村人たちの中に混ざって大石が腰を下ろす。
圭一のお手並みを拝見しようというのだ。
素朴な疑問をレナが投げかける。
ダム戦争が終わったからお役所に訴えてはならないというものが理解できないのだ。
村は役所と仲直りをしたので、役所と戦う理由がないと言うのが答えだった。
雛見沢は協調路線で、役所と町内会はべったりだと皮肉を込めて魅音と詩音が言う。
綿流しはもちろんのこと、雛見沢の催しに関しては役所から莫大な寄付金があるのだ。
村長に指摘すると、彼は言葉を濁す。
役場と癒着をしているから機嫌を損ねるわけにはいかないのだとレナが圭一に説明した。
レナの言葉に村人はさらに怒りを増す。
結果として、圭一の陳情はやりすぎだと説明する村長。
その時レナは部屋に飾られたものを見つける。
ダム戦争と村人の結束
額に飾られたその言葉をレナが読み上げると、今の俺たちだと圭一と詩音・魅音は笑う。
この言葉は公由村長がダム戦争の戦勝記念に書いたものだと梨花が説明した。
ダム戦争の村人の団結・それを育んて来たことを凄いと思うし尊敬していると圭一は言う。
何よりも死守同盟の精神が素晴らしいと熱を込めて語った。
自然の美しさと団結を誇れる村が今ここにあるのは、政府の嫌がらせを全て跳ね返したからだ。
そんな村に住めることを圭一は誇りにしたいと願っているのだ。
熱く語った圭一は、解散した死守同盟の精神を再びここに取り戻してほしいのだと、沙都子は村の一員であることを付け加えて頭を下げた。
圭一のその姿に、入江と大石は手を叩く。
ここまでの流れで、村人の中にも圭一を支持する者が声を上げ始めた。
次々と圭一を支持する声に、入江は水を差す。
明日相談所に言ったところで話を聞いてくれるか怪しいと言うのだ。
それもそうだ、役所は町会を味方につけたと思い込んでいる。
町会が圭一の味方についたという証拠が必要なのだ。
皆が圭一に文句を言う気持ちではないのだ。
しかしながら町会としての立場というものもあるのが現状だ。
北条家の沙都子に肩入れすれば後ろ指刺されると思い込んでいるが、実際にそんな人物はいないと力説する圭一たち。
しかしその仮説も覆る。
その存在は確かに『いる』という公由村長に、梨花は『ある人』の許しが欲しいのかと答えの手を差しのべた。
痛いところを突かれた村長は苦笑いをする。
その人物とは、園崎お魎のことだったのだ。
ラスボス(園崎お魎)と対峙?!
公由家・古手家の雛見沢御三家と言われた2つの家の人間は北条家のことは水に流したつもりでいる。
残るは園崎家ということだ。
園崎家の当主である園崎お魎を説得すれば、町会は圭一たちを支持することを約束してくれることとなった。
公由村長が太鼓判を押したことにより、圭一は園崎お魎と対決することを決める。
その足で圭一たちは園崎家に向かった。
園崎お魎は布団の中から圭一たちと面会し、周りを園崎茜などが囲んでいる。
正規の手順を踏んで対応している児童相談所。
町会に対しての不満を聞くと言う園崎茜。
相談所に任せることによって、沙都子が救出されるのは数か月後になってしまうことを詩音が説明する。
数か月で死ぬわけではないと園崎お魎は冷たく言った。
そのくらいのことでギャーギャー言うなと園崎お魎は圭一たちを叱責する。
その言葉に顔を背ける公由村長。
沙都子は自分の友達だから助けてあげて欲しいと願い出る梨花だが、彼女に対しても友達は選べと言うお魎。
茜は、その時圭一が何か言いたそうにしているという事に気付き、声を掛ける。
圭一は沙都子が学校に来た時に既にボロボロの状態だったことを踏まえ、死ぬわけではないにせよ救出されるまでの間に心が傷つけられるのはどうでもいいのかとお魎達に問うていく。
茜は圭一にどうしたらいいのかと打開策を求めた。
すぐに助けるべきだと主張する圭一に、茜は園崎家は知った事ではないと一蹴する。
やりたいならば一人でやれという意味だ。
お魎が首を縦に振ってくれないならば、この場でお魎の頭をたたき割って魅音を新頭首にして首を縦に振らせるのだと豪語する圭一にお魎が怒鳴りつけた。
怯まない圭一はさらにお魎に噛みついていく。
よそ者扱いするお魎に、圭一は雛見沢の一員として仲間である沙都子を助けるために動いてると主張した。
圭一は雛見沢に来て日は浅いが『新しい風』を吹き込んでくれる期待の若者だと入江が言う。
礼儀知らずと言われたお魎に筋を通すために、圭一は園崎家も協力して欲しいと頭を下げた。
怒りの収まらないお魎に魅音も頭を下げる。
自分もお魎のような仲間の為に戦う人間になりたいのだと。
それに習い詩音も頭をさげ、レナと入江が続いた。
公由村長も、沙都子が不憫だと思っている胸の内を述べて大号令をかけて欲しいと言うが、お魎は首を縦に振らない。
圭一の仲間の敵だと認定した瞬間に、お魎は圭一の敵ともなった。
頭をかち割るのだと立ち上がる圭一。
お魎は頭を抱え、周りにいる若い衆は身構えた。
茜はお魎に飲ませる薬の準備をしながら、今日はこの辺にしてほしいと圭一に言う。
まだ言葉をかける圭一に、茜は出直すのも大人のルールだと叱責して半ば追い出される形で圭一たちは園崎家を出たのだった。
大人のルール
あと一息だったと圭一は苦虫を嚙み潰したように悔しさを滲ませていた。
言うべきことは言ったとレナが圭一に言葉をかける。
お魎を信じて待つのだと言う梨花に、それも辛いと弱音を吐く。
その時、園崎家から公由村長と園崎茜が出てきた。
お魎は怒っていたかと聞く魅音に、村長は笑いながらOKをもらったことを告げる。
驚く圭一たちに、茜が説明を続けた。
町会が圭一たちを支持することをお魎が認めたという事は、実質的にかつてダム戦争で結束された『鬼ヶ淵同盟』が圭一のバックについたことになる。
これが動き出したという事は、絶対に負けられない戦いとなったことを意味していた。
圭一は覚悟を即答し、それを見た茜は思わず笑ってしまう。
お魎も北条家の清算は自分が墓に入るときしかないと思っていたのを圭一に助け舟を出された形になったようだ。
こうして圭一たちは強力で壮大なる味方をえることに成功するのだった――――。
運命から・・・
家路に向かって歩こうとする圭一に、梨花は声を掛けた。
これで沙都子は運命から救われる。
運命を打ち破ることは容易いのだと教えてくれたのは圭一だった。
圭一には身に覚えのないことだ。
梨花はいつものように無邪気に笑って内緒だよと笑う。
彼らのカケラはどうなるのか・・・・・・・・・
感想・考察
祟騙し編の第4話が終わりました。
鬼ヶ淵同盟が味方に付き、これから沙都子を救うために皆が動き出します。
今回の話は、祟殺し編と言うよりも、前回同様に皆殺し編に沿った話となっていました。
原作で言えば、皆殺し編の3巻後半と4巻序盤と言ったところでしょうか。
これから沙都子の救出作戦に入っていきます。
大石が圭一を観察し、どのように行動していくのかも気になります。
原作の皆殺し編では、児童相談所に再び赴いた圭一たちに立ちはだかることとなります。
そうなると、皆殺し編になってしまうので、ここから大石が皆殺し編と違った動きをしていくれることを期待せずにはいられませんよね。
皆殺し編での児童相談所での最終決戦はなかなか見応えありますし、爽快な進行となるので個人的には好きな場面になります。
なので観たい気持ちはあるのですが、今回は『祟り騙し編』なので、期待を裏切ることが大いに予想されますよね。
『鬼騙し編』と『綿騙し編』は4話完結となっていましたが、今回の『祟騙し編』はまだ続くようです。
どうなっていくのかワクワクしつつバッドエンドの予感にビクビクしながら楽しみにしたいと思います(笑)
次回もよろしくお願いします!!
12話 感想・考察